長期旅行前に注射を打っておこう
長期旅行の際に、東南アジアや、アフリカ、南米などの途上国に行く旅行者は予め予防接種を受けて行く人が多いですが、稀に知らなかったという人もいるので、是非忘れずに受けておくことをお勧めします。
長期旅行者は予防接種を事前に受けよう
旅行前にワクチンの予防接種に関しては、お金もかかるため、受けないという人も結構います。
長期旅行者の多くは、事前に何かしらの予防接種を受けている印象はあります。
受ける受けないは自由なのでいいのですが、それ自体を知らなかったという人も意外といるので、是非知ってから受けるかどうか決めてもらいたいと思います。
受ける予防接種
長期渡航者や滞在者は主に以下のワクチンの中から自分の訪問する地域や、過去に接種してきたか等に経歴によって何を受けるかを決めることが多いです。
こちらは厚生労働省のホームページに記載のある推奨されている予防接種で主なものです。
- 破傷風(Tetanus)
- A型肝炎(Hepatitis A)
- B型肝炎(Hepatitis B)
- 日本脳炎(Japanese encephalitis)
- 髄膜炎(Meningitis)
- 狂犬病(Rabies)
- ポリオ(Polio)
- 黄熱(Yellow fever)
他にも、麻疹風疹、水疱瘡などありますが、日本では割と子供の頃に接種が進んでいるので、受けないことが多いです。
各ワクチンの内容
破傷風
破傷風は傷口から感染するので、冒険旅行などで怪我をする可能性の高い人におすすめするワクチンです。
特に、途上国では、けがをしやすく、命に関わることもあるので、接種を検討してください。
破傷風ワクチンは1968年(昭和43年)から始まった3種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日せき)に含まれていますので、定期予防接種で破傷風・ジフテリアワクチンを12歳の時に受けていれば、20代前半位までは免疫がありますので、接種は不要です。その後は、1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつきます。
A型肝炎
A型肝炎は加熱処理されていない食べ物や飲み物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米に広く存在します。
発症すると倦怠感が強くなり、重症になると1か月以上の入院が必要となる場合があります。
特に途上国に長期(1か月以上)滞在する人におすすめするワクチンです。
B型肝炎
唾液や体液の濃厚接触を通じた感染の2つが主な原因となっています。
一般に健康な成人の感染では一過性感染が多く、急性肝炎の経過をとるものと不顕性感染となるものがあります。
一過性感染例では劇症化して死亡する例(約2%)を除くと、多くは、およそ3か月で肝機能が正常化します。
狂犬病
狂犬病は、発病すればほぼ100%が死亡する病気です。アジア・アフリカ地域を中心に世界中で発生。
イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に引っかかれたり、咬まれたりすることによって感染する危険性が高く、長期滞在、研究者など動物と直接接触し感染の機会の多い場合や、奥地・秘境などへの渡航ですぐに医療機関にかかることができない人におすすめするワクチンです。
日本脳炎
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることによって起こる重篤な急性脳炎で、死亡率が高く、後遺症を残すことも多い病気です。
流行地(東アジア、南アジア、東南アジア)へ行く人におすすめするワクチンです。
ワクチンは1~4週間間隔で2回接種し、約1年後追加接種を1回します(基礎免疫が完了)。基礎免疫の完了後は、1回の接種で4~5年間有効な免疫がつきます。
ポリオ(急性灰白髄炎)
ポリオはポリオウイルスによって、急性の麻痺が起こる病気です。
野生株ポリオが発生し国際的な感染拡大のリスクがあるアフガニスタン、マラウイ、モザンビーク、パキスタンのほか、ワクチン由来ポリオが発生している国(イスラエル、アルジェリア、ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マダガスカル、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴ、ウガンダ、エジプト、ソマリア、イエメン、ウクライナ)に渡航する人は追加接種を検討してください。WHOでは、患者が発生している国に渡航する場合には、以前にポリオの予防接種を受けていても、渡航前に追加の接種をすすめています。
黄熱
黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、致死率は5~10%ですが、流行時や免疫をもたない渡航者などでは、60%以上に達するという報告もあります。
アフリカや南米の熱帯地域に渡航する人に必要なワクチンです。
黄熱予防接種証明書を入国時に要求する国や、乗り継ぎの時に要求する国もありますので、検疫所で確認して下さい。黄熱予防接種証明書は接種後10日目から生涯有効です。
過去に発行された有効期間10年の証明書も、そのまま生涯有効となりますので、廃棄せずに大切に保管してください。
推奨接種一覧表
渡航先別の一覧表から、自身に必要そうなワクチン接種を見ていきましょう。
どこの地域であっても、だいたいA型肝炎、B型肝炎、破傷風は受けておいて良さそうですね。
予防接種は海外でも接種できる
実は無理をして日本でワクチンを打っておく必要はありません。
入国対象の国がまだ決まっていない時は、現地で入国前に現地の病院でワクチン接種受けるのも有りです。
ただし、日本で事前に接種しておくのが不安が少ないかと思います。
海外で接種した方が安い場合がある
タイでの接種が人気
旅行者のワクチン海外接種で有名な国がタイですね。
タイですと日本の3分の1くらいの料金で接種できることもあり、初期の訪問地をタイにして、そこで何種類ものワクチンを打ってから他の国への長期旅行に出発する旅行者が多いです。
バンコクの赤十字病院(通称:スネークファーム)
すぐ隣に観光地のスネークファーム(ヘビ園)があることに由来し、いつしか日本人からは予防接種のできる病院をスネークファームと呼ばれるようになりました。
病院の参考情報が以下です。詳細は現地にてご確認ください。
バンコクの赤十字病院での予防接種
病院名:Queen Saovabha Memorial Institute
住所:1871 Rama IV Rd, Khwaeng Pathum Wan, Khet Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330
最寄りMRT駅:サムヤーン(Sam Yan)またはシーロム(Si Lom)駅から徒歩5分程度
閉院日:日曜日
最大接種数(日):4種類
参考料金 2023年
- 初診料:20THB
- 診察料:50THB
- 狂犬病:350THB
- A型肝炎:1400THB
- 日本脳炎:460THB
また、次回の接種待機期間も日本より短く設定されているものが多いので、接種完了まで日本より短い期間で終わるというメリットもあり、旅行中に受ける人が多い理由にもなっています。
もし、行く先がが決まっていなくても、ワクチン自体の効力は暫く続くので受けておいても良いでしょう。